フローマイクロ合成

マイクロメートルサイズの直径を有するフローマイクロリアクターには以下の3つの特長が存在します。

高速混合
物質の拡散時間は拡散距離の2乗に比例します。一般的なフラスコ内における磁器撹拌子の回転半径が数cm程度であるのに対し、フローマイクロリアクターの経路直系はマイクロメートルサイズです。つまり拡散距離が極めて短いため、混合速度も桁違いに速くなります。

精密な反応時間制御
フロー合成では流路内を流れる溶液の速さ(流速)と流路の体積を調節することで、溶液が流路内を通過する時間(滞留時間)を制御することができます。特にフローマイクロリアクターは内部が微細構造ですのでミリ秒単位という、人間の手で試薬を加える手法では達成できない時間軸での実験操作が可能です。

精密な温度制御
一般に、体積は長さの3乗に比例するのに対し、表面積は長さの2乗に比例します。例えば長さが10分の1になれば表面積は100分の1、体積は1000分の1となるので、この時、比表面積(単位体積当たりの表面積)は10倍となります。つまり微小流路を持ったフローマイクロリアクターは非常に大きな比表面積を持った反応器であると言えます。有機反応において水浴や湯浴による熱移動は反応器の接触表面を通じて行われますので、大きな比表面積によって精密な温度制御や急速な加熱冷却が可能となります。

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